何だかなあ2008年04月05日 10時25分00秒

 私には経済学について語る能力はないと思うのですが(他には語る能力あるのか?というツッコミ禁止)、備忘録代わりに。

Economics Lovers Live - ■[ネタ]またか 苦笑(未来の経済学の数行めぐる解説)
http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20080404#p4

を読んで。

元ネタの論文は "Some Evidence on the Future of Economics" ↓ (PDF)
http://www2.warwick.ac.uk/fac/soc/economics/research/papers/twerp_841.pdf

で、要するにこの論文の解釈が問題になってるんだろうと思いますが、下記参照。

ECONO斬り!! - 学界動向を知らないエコノミストたち
http://blog.livedoor.jp/yagena/archives/50456288.html

Economics Lovers Live - [経済]未来の経済学
http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20080404#p1

 田中先生の最初のエントリは、元ネタの論文を要約してコメントしたものですね。
 で、その、田中先生の
>日本ではなんか人気有り気に喧伝??されている産業組織論、ゲーム理論、契約理論、ファイナンスは少数派みたいですね。

ってのに安田先生が過剰反応したように見えます。

 元ネタの論文は、Abstract の冒頭に
"This short paper collects and studies the CVs of 112 assistant professors in the top-ten American departments of economics."

とあるわけですから、安田先生が
>さらに、産業組織論とファイナンスのデータの解釈には十分な注意が必要です。なぜなら実際にはこの両分野を専攻する研究者の多くが
>
>「経済学部ではなくビジネススクールに在籍する」
>
>という特徴を持っているからです。

と反論して、ビジネススクールの例挙げても仕方ないような。

http://www3.grips.ac.jp/~yyasuda/

見ると、 "Research Fields : Game Theory, Industrial Organization" だそうですから、かっとしてついやってしまった、というあたり?
(注:
http://www.grips.ac.jp/profiles/yasuda,yosuke/yasuda,yosuke.htm

では
【専門分野】産業組織論・ミクロ経済理論
【現在の研究対象】オークションおよび学校選択制度の設計、資本市場と製品市場の相互連関、電子マネーのゲーム理論的分析)

 なお、元論文は
"The 10 most popular research areas are listed in Table 2. The full list of research areas is available on request and will be reported elsewhere. We find that the three most popular research areas are macroeconomics, econometrics and labour economics. "

と書いてあるんで、その下のTable 2 に挙げられている分野はそもそも popular なんであって、その中でさらに何がより popular かって話ですよね。

 だから、田中先生が
>1 「少数派」という言葉が気に食わないようですが、でもマクロ経済学、計量経済学、労働経済学の3つが86名の研究者を集め、対して産業組織論、ゲーム理論、契約理論、ファイナンスが4つあわせても43ですから、多数に対して少数ですが、いったいこれの何がご不満なんでしょうか?

ってのはまあそう言いたくもなるでしょうね。あくまで、元論文の中での相対的な話ですし。

 なお、安田先生の言う
>やはり教科書ばかり読んでいると
>
>「学界の新しい流れがなかなか見えてこない」
>
>のではないか?と思わせずにはいられない記事を発見しましたのでご報告をさせて頂きます。

については、元論文と同じ手法でデータとって、年毎の比較をやれば何が増えて何が減ってるか、なんぞ学界の動向がわかって面白いんじゃないでしょうか。なお、元論文は "Our data were collected in January/February 2007." だそうです。

 あと、元論文の Table 2 の10の研究分野の合計は、112を上回ってます。これは、112人の CV に記載された研究分野の累積ですから、複数書いている人も当然いる(むしろそっちが当然?)ということでしょうね。ちなみに、元論文には Appendix: The exact research areas of the 112 economists. がついてます。

 蛇足ながら、安田先生の
>オマケ
>ところで、今回取り上げられた新進気鋭の若手経済学者112人の中には誰一人として「経済学史」や「マルクス経済学」を専攻としている研究者はいません。

これ、元論文の Appendix: The exact research areas of the 112 economists. 見ると、
Economic History 5
とあります。さすがにマルクス経済学ってのはいないか。ま、元論文中の "popular research areas" には入らない、ってことでしょうね。

 この元論文の Appendix も興味がある向きには面白いのでは(なお、 Technological change に数字が入ってないのは脱字でしょうかね)。
 また、もっと詳細を見れば、どの研究分野とどの研究分野が重なることが多い、とかもわかって面白いんじゃないでしょうか。もっとも、経済学専攻された方には当たり前すぎて面白くないかも知れませんが。

 個人的には元論文の "brain drain" という言い回しが面白かったです。なるほどね、という感じです。

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